「レモン ばらが咲いたね。」
アンドレが近寄りながら声をかけた。
「今度のばらも綺麗だね。」
「うん。ようやくできたよ。"ナタリー"」
「えっ じゃっこれが レモンが作りたかったばらなの!」
アンドレはまじまじと そのばらを見つめた。

「凄いじゃないか。ついにやったんだね。」
アンドレはレモンの手を取った。
「ああ やっと やっとな・・・」

アンドレとレモンは しばし ばらを見つめた。
「アンドレ」
「うん?」
「おれにも 奇跡が起きるだろうか?」
アンドレはレモンの目を見て
「思い通りのばらが出来るのは奇跡かもしれない。
けれどその奇跡は起こそうと 長年レモンが頑張ってきたから起きたんだ。
何もしなければ 結果も出ない。」

今度はレモンがアンドレの目を見て言った。
「そうだな。」
アンドレはその言葉の中に固い決心を感じた。
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